
企業の枠組みを超えたアクションを目指し
パーパスの検討段階から参加・発信を支援
株式会社日本総合研究所様(以下、JRI)では、パーパスが「次世代の社会においてどうありたいか」の意志を示し、内発的な取り組みを導き、取り組みに集う社内外の人々を率いる引船となるようなものにしたいという想いがありました。コンセントは、パーパスの検討段階から参加し、企業を超えて浸透するためのオウンドメディアの制作をしました。
- ウェブサイト・サービス
- 広報ツール
- ブランディング支援
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- パーパスに込められた想いへの深い理解
- パーパス発信の施策検討から制作まで一貫した伴走
- JRIの新たな一面をかたちにするアートディレクション
プロジェクトの背景
JRIは問題の発見から解決のための具体的な提案と実行支援を行っています。JRIの強みはシンクタンクとしての中立性と、リサーチ/インキュベーション/コンサルティングという複数の機能をもつこと、多様な領域で専門家として活躍する研究員が多数在籍していることです。しかし、これらの強みから生まれる実績とポテンシャルが世の中に認知されていないだけでなく、社員も自覚できていないという課題がありました。こうした状況に対しJRIのパーパスを整理・発信することで、パーパスが社内外のステークホルダーが乗り合わせる「大きな船」をけん引するタグボートの役割を果たすことを期待していました。
問題解決までのアプローチ
フェーズ1:パーパス検討への参加
初めに、JRIで進めていたパーパス検討のワークショップにコンセントが参画し、その発意を理解しました。ワークショップは、ビジネスデザイナー岩嵜博論氏のファシリテーションのもと進められ、JRIの創発戦略センターやリサーチコンサルティング部門、調査部に所属するプロジェクトメンバーおよそ20名が参加するものでした。
ワークショップの議論では「傾聴と対話」というキーワードが挙がり、JRIが今後も持続的に成長していくためには、多様な市民や若い世代の声に耳を傾け、対話を重ねることが不可欠という共通認識が参加者間で醸成されました。「傾聴と対話」はJRIのありたい姿を導く合言葉として、最終的なパーパス・ステートメントにも反映されました。

策定したパーパス・ステートメント。
コンセントは客観的な視点から議論へのフィードバックを行い、ビジョンが言語化される過程を支え、策定後の浸透施策について提案を行いました。
フェーズ2:コミュニケーションデザインとコンテンツ制作
次に、ワークショップで策定したパーパス・ステートメントを基軸に、先駆者として活躍する社内外の実務家の声や姿をメディアとしてかたちにしました。
これまでの広報発信のトーンは、シンクタンクとしての中立性を体現するようなシンプルでニュートラルな印象でした。しかし、今回の「JRI STORIES」では、パーパス・ステートメントを体現する多様性を受け入れ、風通しの良い印象を感じさせるメディアを目指しました。
メディアは、冊子とウェブの両方を制作し、読者にとって読みやすい選択肢を用意しました。当初のメインターゲットであるKey Account Boardと呼ばれる政府・官僚や首長、企業経営者などに加え、次世代を率いるリーダー層(大学教授やNPO代表など)や、社内外の若い世代にもひびくメディアになるよう、方針づくりからアウトプットまで伴走しました。

制作したパーパスメディア「JRI STORIES」。冊子版(左)、ウェブ版(右)の2種類で展開した。
クリエイティブのポイント
「大きな船」に例えられる、これからのJRIのありたい姿。そこでは企業という従来の枠組みを超え、組織内外の人々がさまざまな取り組みに共感をもって集います。「JRI STORIES」ウェブ版トップページでは、その「大きな船」を導くパーパスを引船のモチーフで表現しました。

トップページ(左)と、対談ページの一部(右)。イラストのモチーフを所々に散りばめ、奥行きのあるデザインを展開している。冊子・ウェブ版とも一貫して文章量を最小限に抑えることで、読み切りやすいボリュームにまとめている。
また、冊子版の表紙における写真とイラストのコラージュは、「現実」と「理想」が共存する世界観を表現しました。その中には「未知なるもの」のメタファーとして幻獣「麒麟」が登場します。麒麟が人々を「大きな船」へといざなう一貫したストーリー展開は、JRIが考える「これからの社会のありたい姿」を想起させています。




読者が手に取ったときの質感にも気を配り、厚めの用紙を使用。タイトルに箔押しを施すことで高級感のある仕上がりになっている。

関連成果物として、オンライン会議用の背景画像も制作。カジュアルな用途を想定したイラスト版(左)と、フォーマルな用途を想定したグラフィック版(右)の2種類を展開した。
コンテンツ制作においては写真に黒羽政士氏、イラストに山口洋佑氏を起用。印刷は株式会社文星閣様に依頼しました。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | 株式会社日本総合研究所 様 |
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公開日/発行日 | 2021/12/03 |
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