SCSK   効果的な学習を実現するUXデザイン研修のe-learning化支援

メインビジュアル。動画のサムネイル。タイトル「UX基礎研修、UXデザインをはじめよう」。

UXデザイン研修のe-learning化支援

ITサービスやコンサルティングを手がけるSCSK株式会社様(以下、SCSK)は、約10年にわたり社員向けに内製でUX/HCD(Human Centered Design)教育を行ってきました。今回、その教育をe-learning化するに当たり、UXデザインの基礎知識を身に付ける研修の設計や動画制作、研修後のアンケート作成をコンセントが支援しました。

  • 映像
  • トレーニング・研修
  • デザイン思考組織化支援
  • クリエイティブ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • ビジョンや課題に基づいて設計した研修目標
  • キャラクターの掛け合いを活用した学習体験
  • 自分のペースで進められる構成と画面設計

プロジェクトの背景

コンセントはこれまで、SCSKのデザイン人材評価指針やUXガイドライン策定など、さまざまなプロジェクトを通じてデザイン組織を支援してきました。デザイン組織支援での評価を受け、これまで2010年から社内講師がリアルタイムで実施していた若手社員向けのUX基礎研修を、業務の合間に自分のペースで学べるようにし、また運営負担を軽減するためにe-learning化するに至りました。

SCSKではUX基礎研修に限らず、さまざまな学習プログラムを実施しています。今回e-learning化した「UX基礎研修」では、専門的な内容を深く掘り下げることよりも、ビジネスパーソンが身に付けるべき基本的な知識の習得や、ユーザー視点で考える技術とマインドセットの形成を目指しました。また、受講する社員の業務的バッググラウンドは多岐にわたっている中で「UXを自分ごととして捉えられる」受講内容になるように、議論を重ねました。対象者は主に入社1~3年目の社員を想定しつつも、中堅以上の社員にとっても意義のある必要がありました。

問題解決までのアプローチ

e-learning化に当たり、従来の研修内容をブラッシュアップするため、SCSKの長きにわたる研修から得られたノウハウや課題、社員の学習背景のヒアリングを行いました。その上で、学習目標や現場での実践行動を再定義し、飽きのこない動画コンテンツの制作や、研修効果の測定方法を含めた提案を行いました。

学習目標の設計は、顧客のビジョンから逆算する「バックキャスト」の手法を採用し、以下のような段階を経て目標を設定しました。

学習目標の想定を示す資料。「全社目標」から「部門目標」、「結果・状態」、「理想的な現場での行動」、「学習目標」へと続いている。

研修を通してSCSKの経営や現場にインパクトを出すことを目指し、全社の目標からバックキャストして学習目標を設定した。

研修のゴールは、受講後に「現場での理想的な行動」を実践できるようになることです。この「理想的な行動」は研修本編の動画コンテンツで具体的に受講者に伝え、研修後のアンケートで自己効力感を測定しました。

動画のキャプチャ。悩む表情のキャラクターと、字幕「こんな行動できるようになれるかな…」。

受講後のゴールについて、講義の中で具体的に説明した。

クリエイティブのポイント

キャラクターとの掛け合いで進む学習

動画コンテンツ用にキャッチーなキャラクター「はてなん」を作成しました。ナビゲーターに対してはてなんが質問を挟み込むことで、対話的に学習を深められる構成にしています。はてなんは講義内容がわからないときは「はてはて〜?」とブルーのカラーリングに、理解できると「ぴーんときた!」と「?」から「!」に形状が変わります。視覚と聴覚の両方から状況を伝える工夫をしています。

キャラクターデザイン資料。
キャラクターの形が変化するようす。

UXデザインを学ぶ生徒役として、受講者の気持ちを代弁するキャラクター「はてなん」を作成。わからないときは「はて?」、わかったら「ぴーんときた!」が口癖。キャラクターとナビゲーターのやりとりによって学びを切り替えつつ、理解を促進する。

動画のキャプチャ。悩む表情のキャラクターと、字幕「そもそもなんで、UXデザインを学ぶの?」。
動画のキャプチャ。図解を用いた講義のようす。字幕「普段の仕事に置き換えて考えてみましょう」。
動画のキャプチャ。納得した表情のキャラクターと、字幕「ぴーんときた!」。
動画のキャプチャ。講義が終了した様子。字幕「チャプター1はクリア!」

キャラクターの素直な疑問から始まって、講義を経て理解できるまでをカラーリングとアニメーションで表現した。キャラクターの原案はコンセントが作成し、アニメーションの作成はatKombiが担当。

自分のペースで進められる構成と画面設計

動画は学習内容に合わせて全5章に分け、各章の最後に振り返りを設けました。進行状況が一目でわかるよう、現在の進捗が把握できる画面設計を採用しています。

動画のキャプチャ
動画のキャプチャ。
動画のキャプチャ。
動画のキャプチャ。

UXデザインの基礎知識から実践方法までを、章ごとに分けて設計した。ビジュアルはSCSKのブランドカラーであるブルーを基調に、進捗度の把握や達成感を得やすいよう各章にもテーマカラーを設けてメリハリのある展開にしている。撮影・動画編集はtouq Inc.が担当。

研修の成果

受講後のアンケートでは、全体の82%以上が「学んだことを業務で活用できそう(とてもそう思う・そう思うの回答を合計)」と回答し、以下のようなコメントが得られました。

  • 今まで受講してきた研修の中でも、トップクラスに見やすくて理解が深められた。
  • 基礎的な内容が多く、初めて学習する人には非常に有意義な研修だった。さらに上位の研修などがあれば受講してみたいと感じた。
  • 入門編として楽しくわかりやすく視聴できた。アジャイル開発を理解しているとより「ぴーんときた!」になると思う。教育計画のロードマップにUI/UXとアジャイルが関連付けられているとより浸透するのではと感じた。とてもわかりやすかったので、続編も受講したい。
  • 要点が掴みやすく、見ていて飽きない動画だった。
  • 説明がポップで非常に理解しやすく、短編で登場人物も多いため、集中して学習できた。
  • 見やすい動画で、学ばなければならないエッセンスが適切に含まれていた。
  • 1本あたりの長さが8分-10分でちょうど良い。登場人物が複数いるので1人に説明されるよりも頭に入りやすい。
  • 今後も短時間で学べる講座があったら受講したい。

お客様の声

10年以上、教材作成から講師までを手がけてきましたが、今回初めて社外の方に教材作成を委託しました。自社では生み出せない味わいや内容、学習体験を取り入れたいという思いで依頼しましたが、その期待に十分応えていただけたと感じています。 また、責務の異なる4名の方が必要なタイミングで的確に連絡をくださったおかげで、固定された窓口が設けられる場合よりもスムーズなコミュニケーションが取れました。さらに、社内での情報共有が徹底されており、重要な話は責任者から直接連絡をいただけたことで、発注側のPMとして進捗状況を把握しやすく、大変助かりました。

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 SCSK株式会社 様
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